3. CPU
3.1 概要
PC/AT互換機を含むコンピュータの全ての処理を行う装置です。中央演算処理装置と呼ばれます。
CPUが起動するとDRAMやBIOS ROM、PCIなどCPUのメモリ空間上に
配置されたプログラムを順番に処理し続けます。
CPUの基本的な構成は以下のようになります。
- 制御部
インストラクション(命令)の実行を行います。
- 記憶部
処理すべき命令やデータを保持します。レジスタやキャッシュが相当します。
- 演算論理部
データの演算を行います。
- 入出力部
外部からのデータ入出力を行います。
スイッチやコンデンサなどの回路素子によって構成されています。
かつては回路構成やスイッチなどを手動で切り替えていましたが、
やがて真空管によってスイッチが置き換えられ、さらにトランジスタの発明でCPUは小型化しました。
加えて集積回路の発明によりマイクロプロセッサと呼ばれる現在のような大きさのCPUが出現しました。
現在のPC/AT互換機のCPUの原型となったIntel 4004は1971年にIntel社によって開発されました。
その後、Intelより後継CPUとして8008、8080などの開発を経て
PC/ATアーキテクチャの根幹となる8086が開発されました。
それゆえPC/AT互換機CPUをx86アーキテクチャCPU(x86 CPU)と呼ぶのです。
そして80286でプロテクトモードが採用され、次の80386では32bitアーキテクチャ(IA-32)となり、
1995年に発売されたPentium Proで対照型マルチプロセッサに対応して、
現在のPC/ATアーキテクチャCPUの重要機能はほぼ実装されました。
一方、AMD(Advanced Micro Devices)社は、
Intelが8086開発後、x86CPUのセカンドソース品を製造を始めたことが
現在も続くIntelとの苛烈なCPU開発競争のきっかけでした。
後にセカンドソースの製造が認められなくなった後も続々とx86 CPU製品を開発し続け、
ついにはAthlon CPU(図3.1、図3.2)を開発し、ついにはIA-32互換の64bitアーキテクチャCPUである
Athlon 64やOpteronを開発しました。
AMDが開発した64bit対応の命令セットはAMD64と呼ばれています。
IntelはAMD64命令セットが開発されるよりも前から、独自にIA-64と呼ぶ
64bitアーキテクチャを開発し、Itaniumという製品に採用していましたが、
IA-32互換であったにも関わらず、IA-32命令処理の遅さから後発のAMD64命令セットに後塵を拝し、
現在はIA-64採用CPUはサーバ用途のItanium2のみで、
大部分のCPUにはIntel 64というAMD64互換の命令セットを採用しています。
図3.1 CPU Athlon 上部外観 | 図3.2 CPU Athlon 下部外観 |