1.1.6.通信インターフェースと通信ケーブル (続き)


  • パラレル通信高速化の限界と次世代シリアル通信規格
  • これらパラレルデータ通信による通信方法は、通信速度の高速化によってデータ線のクロストークやスキュー(転送したデータのビット信号の到着に時間差ができる現象)が顕在化し、これ以上のデータ転送の高速化が困難となってきています。 従って、パラレルケーブルはケーブル品質によっては動作遅延や通信エラーが発生する可能性があります。またケーブル幅が大変広いのでPC/AT互換機内の排熱にも注意が必要です。
    パラレルケーブルの通信高速化の限界に対応して、最新の後継規格はSAS(Serial Attached SCSI、最大通信速度は300MB/s)やSerial ATA2.5(俗称SATA II、最大転送速度150MB/s)というシリアル通信規格となっています。


  • USB
  • USBは元々マウスやキーボードなど比較的低速な周辺機器用の通信インターフェースとして規格化されました。 USBはUSBホストを中心とするスター型の通信規格です。現在はRevision 2.0で最大通信速度が480Mbps(60MB/s, Hi-speed)となり、HDDはもちろんTVチューナー付キャプチャや印刷機など高速通信を必要とするUSB対応機器も登場しています。 ホットプラグが可能なシリアルデータ通信規格で、途中にハブを最大5台まで接続こともでき、最大127台まで接続が可能です。USBはハードウェア部分とChapter9と呼ばれる最低限の通信部分のみが規定され、データ通信には他のインターフェース命令を採用します。HDD用のマスストレージ命令では一般にSCSI-2またはATAPI(SFF-8070i)を採用します。
    USBケーブルはAプラグとBプラグ、そしてミニBプラグのコネクタがあります。図35はAプラグケーブルのコネクタ部分です。

    図35 USBケーブル(Aプラグ)

    最大通信速度が480Mbpsとなってからは通信品質を保証するためにUSB-IF コンプライアンスプログラムが発表され、USB-IF認定の検査機関での品質検査に合格した製品はCertified USB-Logoの表示が可能です。 しかしCertified USB-Logoの取得はは任意であるため現在も通信品質の悪いUSB機器やケーブルが出回り、さらに悪いことに殆どのPC/AT互換機用マザーボードはUSB規格に準拠していない拡張コネクタを装備しています。 これによって通信不良の障害が発生することが非常に多いです。 図36はHi-speedのUSBロゴマーク、図37はFull-speedまたはLow-speedのUSBロゴマークです。

     
    図36 USB Logo ( Hi-speed )図37 USB Logo ( Full-speedとLow-speed )


  • IEEE1394
  •  IEEE1394は愛称FireWireまたはi.Linkと呼ばれ、機器同士が対等に通信できるディジーチェーン型のシリアルデータ通信規格です。プラグアンドプレイが可能なリムーバブル機器用途で、最大63台まで接続が可能です。 現在は最大通信速度が800Mbps(100MB/s)までの製品が一般で販売されています。規格ではハードウェア部分と通信部分も規定され、通信部分はSCSI規格のSBP-2(Serial Bus Protocol 2)を採用しています。
    PC/AT互換機市場ではUSBにその役割を譲りあまり見かけませんが、Macintoshや家電市場で普及しています。
    ケーブルは6ピンと4ピンのコネクタがあります。図38は6ピンケーブルのコネクタです。

    図38 IEEE1394ケーブル (6ピンコネクタ)


    前のページ   /  次のページ